台湾人は“並ぶのが苦手”?—日本人が驚く、台湾の行列文化
「台湾ってみんな優しいよね〜」「マナーもいいし!」と思っていたあなたへ。
実際に台湾に住んでみると…列の途中でおばあちゃんが突然ワープしてくる!?
日本人が知らない、台湾の“ゆるくて自由すぎる行列文化”を現地視点でゆる〜く紹介します。
読んだ後、台湾の行列がちょっと可愛く見えてくるかも?
日本では、ラーメン屋に1時間並ぶのも、美術展でじっと順番を待つのも、もはや日常。「並ぶことは美徳」と言っても過言ではありません。
でも、台湾に住んでみると——びっくりします。
「えっ、さっきまでいた人、どこ行った?」「この列って、どこに向かってるの?」「え、横から入ったよね、今?」
はい。台湾の“並ぶ文化”は、日本とはちょっと……いや、かなり違います。
● 列はある。でも「なんとなく」存在しているだけ。
台湾にも列はあります。ただし、それは「絶対の秩序」ではなく「一応の目安」です。
例えば、人気の朝ごはん屋さん。5人くらい並んでるなと思っていたら、横から「我要兩個蛋餅!」(蛋餅2つね!)と声が飛び、厨房の人も「あいよー!」と普通に対応。
……今の、並んでなかったよね?
でも、誰も怒らないんです。みんな慣れてるから。むしろ「まあ、急いでるのかもね」くらいの空気。これが台湾の寛容さでもあり、カオスさでもあります(笑)。
● 列に並ぶ=途中参加&途中離脱、まさかの“自由参加制”?
台湾の行列には、日本人が驚く現象が3つあります。
まず1つめ、おじいちゃん・おばあちゃんによる「堂々とした割り込み」。特に病院、薬局、人気のローカル食堂では、ふらっと来てスッと先頭に立つ。しかも誰も文句を言わない。むしろ周りの人が「まあ、お年寄りだから仕方ないね」と静かに受け入れてしまうのが台湾の“情”なんです。
2つめは、通称「解壓縮(UNZIP)」現象。これは列が詰まっていないときによく起きます。最初は等間隔に並んでいたはずなのに、あとから来た人が何食わぬ顔で“ススス…”と列の間に滑り込む。周囲も気づいてるけど、微妙すぎて指摘できない。その結果、「あれ、いつの間にか順番がズレてない?」という謎の現象が完成(笑)。
3つめは、「列を途中でやめる人の多さ」。例えば有名な豆花(トウファ)店。最初は10人ほど並んでいたのに、5分後には半分以下に。みんな「人が多いからまた今度にしよ」って、あっさり諦めちゃう。ある意味、切り替えが早いというか…執着がないというか…。その軽さが台湾らしくて、なんだか微笑ましいんです。
● MRT(地下鉄)は例外的にキッチリ
ところで、台湾MRT(地下鉄)では驚くほど整然と並びます。ホームには矢印が描かれていて、乗客はしっかりそのラインに沿って列を作ります。しかも列の順番を割り込むと、周りからの視線が痛い。
つまり、「ここはちゃんと並ぶところ」と理解されている場所では、台湾人もピシッと並びます。ルールがはっきりしていると、みんな守るんです。
● 結論:台湾の「列」は“空気を読む行動”かもしれない
台湾では、「並ぶこと=義務」ではなく、「空気を読む努力」に近いかもしれません。状況によっては並ぶ、でも緊急だったら遠慮なく声をかける。誰かが割り込んでも、怒鳴ることは少なく、むしろ許容する雰囲気すらある。
最初は驚くかもしれません。でも慣れてくると、それが台湾の「人情」や「柔軟さ」の現れなんだと感じるようになります。
日本の完璧な秩序と、台湾の“柔らかい混沌”。両方に、それぞれの良さがあると思います。
