霹靂布袋戯「聖魔戰印」鑑賞完了 → 「問鼎天下」期待中
いつもYACHIAのブログをご覧下さり、ありがとうございます。
スタッフの黄(こう)です。
2012年初ブログ。個人の立場で書きます。当ショップYACHIAとは関係ない、個人の感想です。
黄俊雄氏の「雲洲大儒侠」は、愛国英雄・史艷文をめぐる物語。
場所は中国。
時代は明の王朝。
悪の勢力は、宰相(首相)・安基謀や蔵鏡人などの人間。
仙人、魔人などは存在しない。
とても分かりやすい、伝統的な布袋劇だった。
だが、息子の黄強華氏たちの霹靂シリーズに入った後、
漫画で例えると、「封神演義」X「幽遊白書」の世界観が導入された。
●A視点:仙人と一般人は併存できる
まず、素還真(のちの主人公)が誕生した。
出場して、1,700話も超えた彼は、実際年齢はいまでも公表されていない。
髪の毛の色(白)からみると、若返りの「仙人」だと思われる。
「封神演義」の主人公「太公望」も原作小説「封神榜」では老人だが、
藤崎竜先生の漫画になると、若い青年の姿になっている。
素還真のような「仙人」が視聴者に認めてもらえた(大成功?!)ので、
その後の霹靂は「一般人」と「仙人」併存の世界になった。
●B視点:強い奴はずっといる
「幽遊白書」の最終章では、魔界に三巨頭がいるが、
魔界統一大会に優勝した煙鬼は 三巨頭に匹敵する実力をもっている。
驚くのは、彼のようなすごい奴は一人だけではない。
いままでずっと黙っていたというか、ただ、ナレーションで語られていないだけだ。(ということ)
なんと画期的な設定か、富樫義博先生!
A視点 + B視点 =
たとえ物語はどこまで進んでも、素還真たちよりずっと年上(何千年も生きてきた)で、
実力抜群の「仙人先輩」たちは、常にメンバーが変わる脚本チームの好き嫌いで、
いつでもどこでも無制限に登場可能!
これが物語がずっと続いていけるポイント!?
でも霹靂シリーズになって、木偶はどんどん洗練され、進化していっている。
これは本当にすごい。
特に「霹靂英雄榜」以降、木偶は大きく改造され、今のサイズになった。
これは革命といえるかもしれない。
木偶の顔、衣裳、小道具、頭身比が、木偶観賞だけで成り立つほど綺麗になった。
操作もどんどん進化して、手や足の細かい動きはすごく自然になった。
とくに「聖魔戰印」では鬼覚神知という、虫人間(?)まで登場する。
CG効果もどんどん上達して、演出が大きく派手になった。
こういうところで、霹靂はファン層を拡大して、台湾だけでなく中国、さらにこうして言葉の違う日本にもファンが出来るようになったんだと思う。
僕はうちのスタッフの近藤たち「週刊誌派」と違って毎週観ているではない。
どちらかといいますと、「単行本派」でまとめて観るほうです。
年末年始は行き飽きた年越しパーティーの代わりに、
家で「聖魔戰印」DVDの鑑賞を終わらせた。
↓この先、ネタばれありです。まだ「聖魔戰印」観ていない方はご注意ください↓
「聖魔戰印」と「問鼎天下」は二部作のようだ。
タイトルは「霹靂兵燹」だけど、「兵燹」はずっと登場しない。
というか、この「兵燹」は昔のキャラクターのことではなくて、戦争を表している。
この2シリーズは争いが多いということだろう。(霹靂はどのシリーズも争いだけど)
いつも第1話と第40話に、前シリーズと本シリーズのボスと戦う。
第1話の冒頭には「魔王子・凝淵&その副体・赤睛」VS「剣之初&慕蓉情」の団体戦。
もし火宅佛獄の考えでいうと、「主体+副体=1人」で「凝淵+赤睛」という「生物」は霹靂史上最強なやつといっても過言ではない。
魔王子の非論理的な思考、実に面白いと思った。
赤睛=巨大ドラゴンの設定、ちょっと違和感がある。
劍之初といえば、黄強華氏の大好きなキャラクター・傲笑紅塵の再登場は未定のため、
脚本チームに直々に依頼し、劍之初を作ってもらったと霹靂月刊に記載あり。
名前も 黄強華氏が決めたようだ。
だから、
長い白髪+剣の達人+恋愛に弱い+恋人と一緒にいられない運命=もう一人の○○○○?
慕蓉情は、歌がうまいお坊ちゃん?!
最初の一見、見た目だけで判断したら、非凡公子を複製した人物かなと思った。
「問鼎天下」がある戦いを述べる存在であれば、「聖魔戰印」はその準備の話。
そのせいで、第40話に対ボスの戦いがなかった。ちょっと残念・・・。
代わりに、物語の途中で、対戟武王と號天窮のボス戦いがある。
戟武王の場合、「悪には悪」といえるかな?
初登場の時、また「王者」がでたなと思った。(霹靂で「王者」は9割の確立で死ぬ。彼女もやはり・・・)
剣之初と戦った時、クラウンが外れた瞬間、なぜか男のフリをするための化粧までも一緒に取れたせいで、流亡生活が始まった。
最後に無衣師尹の策で異界からやってきた戟武王が、妖后と號天窮の連軍で敗亡した。
彼女が存在する目的は、聖魔の二子を生むためだけ・・・??
號天窮は、稲田浩司と三条陸先生のDRAGON QUESTのある人物を思い出した。
そう、ミストバーンだ!
どうやら、霹靂の脚本チームも日本の漫画を読んでいるでしょう(笑)
號天窮は末世聖傳の教祖と呼ばれる。
でも、僕から見ると、無脳のリーダー、息子の宿賢卿のほうがずっと賢い気がする。
こんな教祖で、当初いったいどうやってこの組織をつくったのだろう?
ミストに変えられるだけで、もう神気分?
そのうえ、暇になったら、今度は再婚(?)でもしたくなった?
史上最も可笑しいボスに思える。
物語の前半では、悪の組織は「末世聖傳」がメインだった。
早速「A視点:仙人と一般人は併存できる」で試してみましょう。
號天窮は明らかに「仙人」。何百年前に同じ何百年も生きてきた御神風たちに魔絶天棺に封印された。
一方、孫たちは自称・十代の一般人。
孫の易春寒はまだ十代だからこそ、同じ青年期の悟剣聲と恋ができる。
悟剣聲といえば、彼の剣・神意(しゃべる剣)にはちょっとがっかり。
このCGがあふれる時代、しゃべる時に口が動かないのは(CG処理していないのは)、ちょっと怠け者ではない?
雨宮慶太先生の「GARO 牙狼」のザルバのようにしてほしいものだ。
それより、葉小釵がしゃべったことのほうが驚いた。
末世聖傳の武力トップはミストバーン似のミストCGが凄い。
彼のCGはいまのところ専属のよう。霹靂の英雄たちの技は、CG効果が毎回変わるから、「必殺技出たー!」という感じがしない。
ドラゴンボールの孫悟空がかめはめ波を放つ時は、いつも同じ効果映像。だからかめはめ波だとわかる。
でも、例えば一頁書が大梵聖掌を放つ時、そのCG効果はその時々のCG担当者によって変わって、予測不能。
必殺技のCG効果は定着してほしいものだ・・・。
末世聖傳の知力方面は、寂寞侯のマネッコ・孫の易秋顏が軍師としている。(咳をすること)
でも、どうして霹靂のシリーズを千話も見てきているのに、魔絶天棺の話は初耳なのか?
いや、素還真たちは知っている。聞いていないのは観客だけ。ナレーションに語られていないだけ。これが視点Bです。
霹靂の基本ルールでは、高いところから飛び降りても死なない、と思っていたけど、
初めて飛び降りて死んだ人がいたかも。
擎海潮は、鬼覚神知を道連れに死のうと思って一緒に飛び降りた。
だが、鬼覚神知は巧妙に逃げたから、作戦失敗して自分だけ落ちてしまった。
術にかかって死ぬ前に先に墜落死・・・。(つまり、天地合には「底」がある!?)
これはとても驚い。
素還真は目と耳の不自由から解放された。
中盤から、タイトルの「聖」「魔」大戦の話に戻った。
毎回の冒頭にカウントダウンの画面がでてくる。
正直に言って、うるさい。
また、霹靂の脚本は重複の傾向があるから、
霹靂圖騰の天策真龍 → 霹靂皇龍記の六禍蒼龍。
創世狂人→魔化一頁書。
今回は、霹靂謎城のコピーになる?
でも「聖」の代表・「天佛原郷」が途中で「龠勝明巒」になったのが気になる・・・。
終盤に、黄文擇氏の喉の定期保養にはいるため、一頁書は天佛原郷に入って、姿を消した。
エンディングの六対六の戦い(太荒神決)が気になる。
六聖護(善):奉凰靝、靖滄浪、淨無幻、楽行詞、黑衣剣少 、阿修羅
六魔禘(悪):鬼如來、端木燹龍、斷滅闡提、寂滅邪羅、銀羽風少、無界尊皇
本来の姿に戻った無界尊皇は、ある理由でこの戦いに関わった。なんか不安の予感。
もしかしたら阿修羅と相打ち?!「弁当配り」のにおいがプンプン・・・。
銀羽風少も非屍流の一員か?(彼自体が非屍流のこと)
もし相手が銀羽風少が非屍流ということを知っていれば、戦いの最中、わざと実は彼は死んでいることを話したら、銀羽風少は瞬間に灰になるかも?!
いろいろ書きましたが、これは当ショップYACHIAとは関係ない、個人的な感想です。
「聖魔戰印」についてはちょっとがっかりした気持ちがあり、辛口になったけど、
これは霹靂が好きだからこそ。誤解しないでほしい。
うちのスタッフから聞くと、次シリーズの「問鼎天下」はおもしろいと聞いているので
楽しみにしている。
「問鼎天下」DVDは旧暦新年に入手予定。
普段は仕事で時間がないから、連休中にまとめて観るつもり。
今年の春節は9連休だからじっくり観られるでしょう^^
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