【台北のいろいろ】台北の市内に純日本家屋が残っているわけは
ここはどこでしょう?
日本のみなさんにはめずらしくない風景・・・?
ここは、台北の逸仙公園(Yisian Park)というところ。
中山北路と南京西路・南京東路の交差点を南へ進むと、
台北駅の隣に出現する日本家屋と庭園。
建物は、中華民国国父・孫文(孫逸仙)が1913年滞在した料亭で、
当時台湾総督をつとめていた佐久間左馬太と話し合いをした場所でもあるということ。
台北市内に、瓦屋根を見かけることは少なくないですが、
ここまで保存がされているところはなかなかありません。
かつて「梅屋敷」と呼ばれたこちらは、
大和宗吉氏が経営する料亭で、庭園に植えられた梅の木々がその名の由来ということです。
日本統治時代、梅屋敷は台北の高級料亭として知られており、
台湾総督はじめ政界人や有力商人や名士が利用するところで、芸妓の出入りも華やかで、
高松豊次郎監督撮影の1907年の映画『台湾実況紹介』では、梅屋敷の高砂族の芸妓の艶やかなパフォーマンスは台湾20大景の一つと紹介されているそうです。
そういう歴史を知りこの建物を眺めると、当時の嬌声や話し声、賑わいが漏れ聞こえてきそうです。
こちら↓が梅屋敷の入り口で、現在は、国父史跡館として公開されています。
土足厳禁、撮影厳禁、月曜日は開いていませんのでご注意を。
孫文にまつわる資料を中心に展示があります。
日本語版パンフレットもおいてありました。
日本語紹介では「旅館 旅館」と説明されているんですが、宿泊施設というよりは、高級料亭ですね、梅屋敷。
1947年に「国父史蹟紀念館」そして「逸仙公園」と指定されたということですが、
庭園は、日本統治時代のそれそのままではないそうです。
この時、梅の木々は残りましたが、庭園のつくりかたとしては、日本庭園から蘇州園林式につくりかえられたということです。
なので、瓦屋根木造の日本家屋と、中華な雰囲気の涼亭が共存する空間になっているわけです。
その後1835~37年に台北駅の地下鉄路工事の影響で、50メートル移設され、
その際、梅の木以外にも桜やつつじなどが植えられたということです。
台北駅前の新光三越の入るビルがすぐそこ。
こじんまりとした場所ですが、台北観光で朝、時間があるな~という時など、
立ち寄ってみるのもいいと思います。
台湾のお店は開店が昼近くなことが多いですが、こちらは庭園部分はAM8:00~、
記念館はAM9:00~開いていますので、スケジュールに組みやすいです。
逸仙公園(Yisian Park)
住所:台北市中正區中山北路一段46号
見学:無料